フィンサーバンクとGMOあおぞらネット銀行を徹底比較【両方使った筆者の正直な感想】
GMOあおぞらネット銀行とフィンサーバンクを実際に使い比べた筆者が、振込手数料・給与振込・請求書OCR・経理機能の違いを正直に比較。フィンサーバンクにあってGMOにない機能、その逆まで包み隠さず解説します。
他行宛の振込手数料が、フィンサーバンクは90円〜、GMOあおぞらネット銀行は130円。 たった40円の差ですが、毎月100件振込む企業なら年間で約4.8万円。振込件数が多い会社ほど、この差は静かに効いてきます。
本記事では、GMOあおぞらネット銀行とフィンサーバンクの両方を自社の経理で使っている筆者が、振込手数料・給与振込・請求書処理・経理機能の違いを率直に比較します。フィンサーバンクにあってGMOにない機能も、その逆も、包み隠さずお伝えします。
フィンサーバンクとGMOあおぞらネット銀行の比較一覧
まず全体像です。法人のオンライン銀行として、毎月の経理で実際に触る部分を中心に並べました。
| 比較項目 | フィンサーバンク | GMOあおぞらネット銀行 |
|---|---|---|
| 他行宛振込手数料 | 90円〜 | 130円 |
| 同行宛振込手数料 | 13円 | — |
| 給与振込専用機能 | あり(1件21円〜) | なし |
| 請求書OCR(自動読取) | ○ あり | ○ あり |
| 請求書の発行 | ○ あり | なし |
| 経費精算 | ○ あり | なし |
| 入金消込の自動化 | ○ あり | なし |
| 口座振替・ペイジー・社会保険料納付 | × 未対応 | — |
ひと言でまとめると、振込手数料の安さに加えて「請求書発行・経費精算・入金消込まで含めた経理の自動化」が一体になっているのがフィンサーバンクです。以下、具体的に見ていきます。
フィンサーバンクの特徴:振込手数料の安さと経理ツールの一体化
フィンサーバンクは、北國銀行(本店:石川県金沢市)と提携した法人向けオンラインバンクです。開設される口座は「北國銀行フィンサー支店」の法人口座で、運営会社の株式会社f9kは金融サービス仲介業(関東財務局(金サ)第12号)として登録されています。
特徴は大きく2つです。
1. 振込手数料が業界最安水準
| 手数料項目 | フィンサーバンク | GMOあおぞらネット銀行 |
|---|---|---|
| 他行宛振込手数料 | 90円〜 | 130円 |
| 同行宛振込手数料 | 13円 | — |
| 給与振込手数料 | 21円〜(専用機能) | 給与振込専用機能なし |
他行宛は90円〜とGMOの130円より安く、さらにフィンサーバンクには給与振込専用の機能があり、給与の振込は1件21円〜で処理できます。GMOあおぞらネット銀行には給与振込専用の機能がないため、従業員数が多い企業ほど、給与振込のコスト差が積み上がります。
2. 請求書処理から振込までが1つの画面で完結
フィンサーバンクは、振込手数料が安いだけの銀行ではありません。請求書のアップロード・AI読取・振込予約・承認までが、銀行の管理画面の中に揃っています。
弊社(株式会社f9k)でも自社の経理でフィンサーバンクを使っていますが、運用はこれだけです。
- 届いた請求書をフィンサーバンクにアップロード(専用メールアドレスに転送すれば自動取り込み)
- AIが振込先・金額・支払期日を自動読取
- 内容を確認して振込予約・承認
請求書を1枚ずつ開いて銀行名・支店名・口座番号・金額を手入力する作業がほぼなくなり、体感では経理業務にかかる時間が半分以下になっています。
フィンサーバンクの基本的な使い勝手については、フィンサーバンクの評判・手数料・口座開設方法を徹底解説【実際に使ってみた】でも詳しく書いています。
実際に使ってみて感じた違い
GMOあおぞらネット銀行も完成度の高いネット銀行です。そのうえで、両方を使ってみて「ここが効いてくる」と感じた違いを挙げます。
違い1:振込手数料と給与振込のコスト差
くり返しになりますが、他行宛振込はフィンサーバンクが90円〜、GMOが130円です。1件あたりの差は小さくても、件数の多い企業では効いてきます。
さらに大きいのが給与振込です。フィンサーバンクには**給与振込専用の機能(1件21円〜)**があり、毎月の給与支払いを安く処理できます。GMOあおぞらネット銀行には給与振込専用の機能がないため、給与の支払い件数が多い企業では、ここで明確な差が出ます。
違い2:請求書OCRは両方あるが、その先の経理機能に差がある
請求書のOCR(自動読取)機能は、GMOあおぞらネット銀行にもフィンサーバンクにもあります。受け取った請求書をアップロードしてAIに読み取らせ、振込につなげる、という流れは両方で可能です。
差が出るのは、その「前後」の経理業務です。フィンサーバンクには、GMOあおぞらネット銀行にはない以下の機能があります。
| 機能 | フィンサーバンク | GMOあおぞらネット銀行 |
|---|---|---|
| 請求書OCR(受け取った請求書の読取) | ○ | ○ |
| 請求書の発行 | ○ | なし |
| 経費精算 | ○ | なし |
| 入金消込の自動化 | ○ | なし |
- 請求書の発行:受け取った請求書の支払いだけでなく、自社が出す請求書の発行までフィンサーバンク内で行えます。
- 経費精算:従業員の経費精算もフィンサーバンク内で処理できます。
- 入金消込の自動化:発行した請求書に対する入金を自動で突き合わせ、消込まで自動化できます。売掛金の管理がぐっと楽になります。
GMOあおぞらネット銀行は「銀行口座+振込」としては優秀ですが、請求書の発行・経費精算・入金消込までを口座の中で完結させたい場合は、フィンサーバンクのほうが守備範囲が広い、というのが使ってみての実感です。
請求書まわりの機能はフィンサーバンクの請求書・振込機能の紹介ページも参考になります。
正直に:フィンサーバンクにない機能
フィンサーバンクを提供している立場ですが、ここは正直にお伝えします。フィンサーバンクには、口座振替(自動引落)・ペイジー(Pay-easy)・社会保険料の納付といった機能がありません。
- 社会保険料・労働保険料の口座振替納付
- 法人税・消費税の口座振替納付(ダイレクト納付)
- 電気・ガス・水道などの公共料金の自動引落
これらをひとつの口座で完結させたい場合は、対応する銀行口座を併用する必要があります。フィンサーバンクが向いていないケースは、【正直に解説します】フィンサーバンクが向いていない3つのケースにもまとめています。
結論:どう使い分けるか
両方を使ってみての結論はシンプルです。フィンサーバンクを「振込・請求書・経理処理の中心」に据えるのがおすすめです。
- 取引先への振込は、他行宛90円〜・給与21円〜のフィンサーバンクに寄せる
- 請求書の受取・発行・経費精算・入金消込は、機能が揃っているフィンサーバンクで完結させる
- 口座振替・ペイジー・社会保険料の納付が必要な引落は、対応する既存のメインバンクに残す
既存の銀行口座を解約する必要はありません。振込・経理専用のメイン口座としてフィンサーバンクを使い、引落系だけ別口座に残すのが、コストと手間の両方を最も下げられる現実的な形です。
まとめ
フィンサーバンクとGMOあおぞらネット銀行は、どちらも法人向けのオンライン銀行ですが、カバーする範囲が違います。
- **他行宛90円〜(GMOは130円)・給与振込専用機能で1件21円〜**と、振込コストはフィンサーバンクが有利
- 請求書OCRは両方にあるが、請求書の発行・経費精算・入金消込の自動化はフィンサーバンクのみ
- 一方で、口座振替・ペイジー・社会保険料の納付はフィンサーバンクが未対応のため、引落系は別口座を併用
振込コストの削減と、請求書・経費・入金管理までの経理自動化を1つの口座で実現したい企業には、フィンサーバンクが向いています。
フィンサーバンクは、こちらから無料でお申込みいただけます。既存口座の解約は不要で、サブ口座として気軽に始められます。
よくある質問
Q. 振込手数料はフィンサーバンクとGMOあおぞらネット銀行でどれくらい違いますか? A. 他行宛振込手数料は、フィンサーバンクが90円〜、GMOあおぞらネット銀行が130円です。さらにフィンサーバンクには給与振込専用機能があり、給与の振込は1件21円〜で処理できます。
Q. 給与振込専用機能とは何ですか? A. 従業員への給与振込をまとめて安く処理できる機能で、フィンサーバンクでは1件21円〜です。GMOあおぞらネット銀行には給与振込専用の機能がないため、給与支払いの件数が多い企業ではコスト差が出ます。
Q. 請求書OCRは両方にありますか? A. はい。請求書の自動読取(OCR)機能は、フィンサーバンクにもGMOあおぞらネット銀行にもあります。ただし、請求書の発行・経費精算・入金消込の自動化はフィンサーバンクのみの機能です。
Q. フィンサーバンクでできて、GMOあおぞらネット銀行でできないことは何ですか? A. 請求書の発行、経費精算、入金消込の自動化、給与振込専用機能などがフィンサーバンク独自の機能です。受け取った請求書の支払いだけでなく、自社の請求業務や経費精算までを1つの口座で完結できます。
Q. 社会保険料の納付やペイジーはフィンサーバンクでできますか? A. 現時点では対応していません。口座振替・ペイジー・社会保険料の納付が必要な場合は、対応する銀行口座を併用してください。フィンサーバンクは振込・請求書処理・経理自動化を担うメイン口座として活用するのがおすすめです。

著者
田口 周平
株式会社f9k 取締役COO
東京大学法学部を卒業後、2015年に経済産業省に入省。原子力政策や情報政策、省内全体の政策・法令統括や災害対応などを担当した後、2020年4月からはコロナ禍では中小企業向けの金融支援策を担当。約56兆円超の貸出実績となっている実質無利子・無担保融資の制度設計のほか、信用保証制度の運用を担当する。2021年末に経済産業省を退官し、その後株式会社Finswer・f9kの取締役COOに。