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全銀フォーマットとは?総合振込・給与振込の固定長レコード仕様を実務目線で解説

総合振込・給与振込のファイルアップロードで使われる全銀フォーマット(全銀協規定形式)の基本仕様を、法人経理の実務目線で解説。ヘッダー・データ・トレーラ・エンドの4レコード構造と、銀行独自フォーマットとの関係、フィンサーバンクの対応状況まで整理します。

12分で読めます

全銀フォーマットとは、全国銀行協会が定めた、日本の法人向け一括振込で共通して使われる固定長のデータファイル形式です。 正式名称は「全銀協規定形式」。1レコード120バイトの固定長、半角カナ・半角英数字のみ、ヘッダー・データ・トレーラ・エンドの4種類のレコードで構成されます。1973年稼働の全銀システムとともに整備された歴史ある仕様で、現在も日本国内のほぼ全ての銀行が共通して受け付ける業界標準として機能しています。

本記事では、法人経理担当者の実務目線で、全銀フォーマットの基本構造と、銀行独自フォーマットとの関係、フィンサーバンクで対応しているフォーマット種別を整理します。


全銀フォーマットの基本仕様

全銀フォーマット(全銀協規定形式)は、全国銀行協会が定めた、銀行間でデータをやり取りするための固定長ファイル形式です。総合振込・給与振込・口座振替・入出金明細照会など、複数の業務区分ごとに仕様が定義されています。

基本仕様は以下の通りです。

項目仕様
レコード長120バイト(固定長)
文字種半角カナ・英数字・記号のみ(全角は不可)
文字コードJIS または EBCDIC
改行CR LF(2バイト)または改行なし
数字項目右詰め、余りは「0」埋め
文字項目左詰め、余りは「スペース」埋め

このフォーマットは、ほぼ全ての日本の銀行が共通で受け付けるため、「全銀フォーマットで出力」設定さえあれば、会計ソフトから生成したファイルをどの銀行でも使い回せます。


4種類のレコード構造

全銀フォーマットの総合振込・給与振込ファイルは、以下の4種類のレコードで構成されます。

レコード種別内容出現回数
ヘッダーレコード委託者(振込元)の情報、振込種別、指定日1件
データレコード1件ごとの振込先情報・金額振込件数分
トレーラレコード合計件数、合計金額1件
エンドレコードファイルの終端を示す1件

ファイル全体は「ヘッダー → データ(複数) → トレーラ → エンド」という順序で並びます。

ヘッダーレコードの主な項目

ヘッダーレコードには、振込元(委託者)の情報と、振込種別が格納されます。

項目桁数内容
データ区分1バイト「1」固定(ヘッダーを示す)
種別コード2バイト総合振込=21、給与振込=11、賞与振込=12
コード区分1バイト文字コードの種別
委託者コード10バイト委託者(振込元企業)を識別するコード
委託者名40バイト委託者名(半角カナ)
取組日4バイト振込指定日(MMDD)
仕向銀行番号4バイト振込元の銀行コード
仕向銀行名15バイト振込元の銀行名(半角カナ)
仕向支店番号3バイト振込元の支店コード
仕向支店名15バイト振込元の支店名(半角カナ)
預金種目1バイト1=普通、2=当座 等
口座番号7バイト振込元の口座番号
ダミー17バイト未使用領域

データレコードの主な項目

データレコードには、1件ごとの振込先情報と金額が格納されます。振込件数の数だけこのレコードが繰り返されます。

項目桁数内容
データ区分1バイト「2」固定(データを示す)
被仕向銀行番号4バイト振込先の銀行コード
被仕向銀行名15バイト振込先の銀行名(半角カナ)
被仕向支店番号3バイト振込先の支店コード
被仕向支店名15バイト振込先の支店名(半角カナ)
手形交換所番号4バイト未使用または交換所番号
預金種目1バイト1=普通、2=当座 等
口座番号7バイト振込先の口座番号
受取人名30バイト受取人名(半角カナ)
振込金額10バイト振込金額(円、右詰め0埋め)
新規コード1バイト1=第1回振込、2=変更、0=その他
顧客コード110バイト管理用コード(任意)
顧客コード210バイト管理用コード(任意)
振込区分1バイト7=電信振込、8=文書振込
EDI 情報20バイト支払通知番号等(任意)
ダミー7バイト未使用領域

トレーラレコードとエンドレコード

トレーラレコードには、データレコードの合計件数と合計金額が格納されます。銀行側でファイルの整合性チェックに使われます。

エンドレコードは、ファイルの終端を示すための1件のレコードで、固定値で埋められます。


半角カナのルール

全銀フォーマットで最も実務者が困るのが、カナ名義の入力ルールです。全角は一切受け付けず、半角カナのみを使う必要があります。

法人格の略記

受取人名に使える法人格の略記は、以下のように決められています。

法人格略記
株式会社カ)
有限会社ユ)
合同会社ド)
合名会社メ)
合資会社シ)
財団法人ザイ)
社団法人シヤ)
一般社団法人(イツシヤ)
医療法人イ)
学校法人ガク)
宗教法人シユウ)
特定非営利活動法人トクヒ)

例:「株式会社サンプル」→「カ)サンプル」

使える記号

半角の「(」「)」「-」「.」「スペース」程度の記号のみが許容されます。「・」「/」「&」などの全角記号や、長音「ー」の扱いは銀行ごとに揺れがあるため、会計ソフト側で自動変換される値をそのまま使うのが安全です。


銀行独自フォーマットとの関係

全銀フォーマット以外に、銀行ごとの独自 CSV フォーマットが提供されているケースがあります。特にネット銀行に多く、以下のような銀行では独自フォーマットが使われています。

  • GMO あおぞらネット銀行
  • PayPay 銀行
  • 楽天銀行

独自フォーマットは、全銀フォーマットよりも入力項目が簡素だったり、全角カナに対応していたりと、使い勝手が改善されているケースが多いです。ただし、他の銀行では使えないため、メインバンクを乗り換える際にはデータ生成ロジックを作り直す必要があります。

フィンサーバンクの対応状況

フィンサーバンクでは、全銀フォーマット に加えて、以下の銀行独自フォーマットもアップロード可能です。

フォーマット種別対応状況
全銀フォーマット(全銀協規定形式)
GMO あおぞらネット銀行 独自フォーマット
PayPay 銀行 独自フォーマット
楽天銀行 独自フォーマット

これらのネット銀行をメインバンクとして使っていた企業が、フィンサーバンクへ乗り換える際も、現在使っているファイル生成ロジックをそのまま流用可能です。運用の切り替えコストが最小化されます。


全銀フォーマットを使う業務の注意点

ネームバック機能は使えない

全銀フォーマットを使った総合振込・給与振込は、バッチ処理方式のため口座名義確認機能(ネームバック)の対象外です。ファイルに書かれた振込先情報がそのまま使われるため、事前の正確な登録が必須になります。

承認期限に注意

総合振込・給与振込の承認期限は、振込種別ごとに異なります。フィンサーバンクの場合は以下の通りです。

振込種別承認期限
総合振込振込指定日の1営業日前
給与振込振込指定日の3営業日前

給与振込の承認期限が早い点は特に注意が必要です。給料日から逆算してスケジュールを組んでおかないと、給料日当日に入金が間に合わない事態になります。

また、銀行によっては、そもそも総合振込や給与振込自体を提供していないこともあります。特にネット専業銀行では、法人口座を提供していてもどちらか一方、または両方が未対応となっているケースがあるため、法人口座を選ぶ際は対応業務の事前確認が必要です。

手数料は振込種別により異なる

総合振込と給与振込では、同じ全銀フォーマットを使う業務でも、手数料単価が異なります。フィンサーバンクでは以下の通りで、他行宛振込手数料は業界最安値水準です。

振込種別他行宛同行(北國銀行)宛
総合振込90円13円
給与振込21円13円

上記は2026年4月1日時点の料金です。他行宛振込手数料に関する業界最安値水準(当社調査による比較。大手銀行およびインターネット専業銀行の中で法人向け口座を提供している銀行を対象に、各社公表資料をもとに比較。各社の手数料割引プログラムや期間限定キャンペーンは含みません)。


参考資料

  • 全国銀行協会「全銀協規定形式 振込ファイル フォーマット仕様」
  • 一般社団法人全国銀行協会「全銀協パーソナル・コンピュータ用標準通信プロトコル 適用業務およびレコード・フォーマット」令和元年12月
  • 各銀行公表の「振込ファイル・フォーマット説明書(全銀協規定形式)」
  • 株式会社f9k「フィンサーバンク 料金テーブル・ご利用ガイド」(2026年4月1日時点)

まとめ

全銀フォーマットは、総合振込・給与振込の一括アップロードで使われる共通仕様で、1レコード120バイトの固定長、半角カナ・半角英数字のみ、4種類のレコードで構成されます。1973年稼働の全銀システムとともに整備された歴史ある仕様ですが、現在でも主要な会計ソフト・給与計算ソフトが出力対応しており、ほぼ全ての日本の銀行で共通して使えます。

  • 4種類のレコード(ヘッダー・データ・トレーラ・エンド)で構成
  • 半角カナ・数字のみ、全角不可
  • ネット銀行には独自の CSV フォーマットを提供している場合もある
  • フィンサーバンクは全銀フォーマットに加えて、GMO あおぞら・PayPay 銀行・楽天銀行の独自フォーマットにも対応
  • 全銀フォーマットを使う総合振込・給与振込ではネームバック機能が使えない点に注意

現在ネット銀行の独自フォーマットで運用している企業も、フィンサーバンクへの乗り換え時にファイル生成ロジックを作り直す必要がありません。振込手数料の削減を検討中の企業の経営者の皆様は、ぜひ一度ご検討ください。

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よくある質問

Q. 会計ソフトから出力した全銀フォーマットをそのままアップロードできますか? A. はい。マネーフォワード クラウド会計、freee、弥生会計、勘定奉行などの主要な会計ソフトは、全銀協規定形式でのファイル出力に対応しています。出力したファイルを、フィンサーバンクや他の法人向けネットバンキングにアップロードするだけで一括振込が実行できます。

Q. 全角カナや全角英数字を使った全銀フォーマットファイルはアップロードできますか? A. いいえ。全銀フォーマットは半角カナ・半角英数字のみの仕様です。全角文字が含まれているとアップロード時にエラーになります。会計ソフトから出力した場合は自動的に半角に変換されていますが、手作業で編集する場合は半角変換を徹底する必要があります。

Q. 銀行独自フォーマットと全銀フォーマットはどちらが使いやすいですか? A. 一般的に、銀行独自フォーマットの方が入力項目が簡素で扱いやすいことが多いです。ただし、独自フォーマットは他の銀行では使えないため、銀行を乗り換えるときにファイル生成ロジックを作り直す必要があります。フィンサーバンクは全銀フォーマットに加えて GMO あおぞらネット銀行・PayPay 銀行・楽天銀行の独自フォーマットにも対応しているため、現在これらの銀行の独自フォーマットで運用している企業もそのまま移行できます。

Q. 全銀フォーマットでカナ名義を1文字間違えたらどうなりますか? A. 振込実行後に振込エラー(組戻し)となり、組戻し手数料が発生します。総合振込・給与振込ではネームバック機能による自動補正が使えないため、事前の正確な登録が必須です。新規取引先の初回送金は、まず都度振込でネームバック機能を使って名義を確定させ、その情報を取引先マスタに登録してから総合振込に回す運用をお勧めします。

Q. 総合振込と給与振込では、同じ全銀フォーマットでも何が違いますか? A. ヘッダーレコードの「種別コード」で区別されます。総合振込は「21」、給与振込は「11」、賞与振込は「12」です。また、銀行側では給与振込を別の業務区分として扱うため、手数料単価や承認期限、相手口座への表示内容(「キュウヨ」「ショウヨ」)が異なります。

田口 周平

著者

田口 周平

株式会社f9k 取締役COO

東京大学法学部を卒業後、2015年に経済産業省に入省。原子力政策や情報政策、省内全体の政策・法令統括や災害対応などを担当した後、2020年4月からはコロナ禍では中小企業向けの金融支援策を担当。約56兆円超の貸出実績となっている実質無利子・無担保融資の制度設計のほか、信用保証制度の運用を担当する。2021年末に経済産業省を退官し、その後株式会社Finswer・f9kの取締役COOに。

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