「銀行は信頼できるが、システムは信頼できない」―― 元銀行員が語る、既存IBの限界とBaaSがもたらす金融の民主化
元銀行員が語る、既存インターネットバンキングの構造的限界とBaaSの可能性。「昭和のシステム」が変わらない理由と、金融の民主化がもたらす実務効率化を解説します。
銀行の「中」にいた人間だからこそ、言えることがあります。
「銀行という組織は信頼に値する。しかし、彼らが提供するネットバンキングのシステムは、現代のビジネススピードにおいて、もはや信頼に足るものではない」
そう語るのは、かつて銀行員として勤務し、現在は全国に170店舗以上を展開する急成長企業の財務責任者を務める男性です。
なぜ、金融を知り尽くしたプロほど、既存のインターネットバンキング(IB)に限界を感じているのか。その裏側に隠された「構造的な闇」と、2026年の新スタンダードである「BaaS」という選択肢について解説します。
構造の闇:なぜ銀行の画面は「昭和のまま」止まっているのか
「使いにくいのは、自分が慣れていないせいだ」
そう自分を納得させている経理担当者は少なくありません。しかし、その不親切さには明確な技術的・組織的な理由があります。
「メインフレームの呪い」という技術的限界
多くの銀行の裏側では、数十年前に構築された「勘定系システム」と呼ばれる巨大な基幹システムが現役で動いています。日本の主要銀行が使う勘定系の多くは1970〜80年代に開発されたもので、その保守・運用コストは毎年数百億円規模に上るとも言われています。これらは堅牢さにおいては世界一ですが、柔軟な拡張性は持ち合わせていません。
私たちが目にするIBの画面は、いわば「昭和・平成の巨大な機械」に、無理やり「令和の窓」を付けたようなもの。裏側の古すぎるシステムと通信する際にエラーが出るのを恐れ、銀行側は「安全のために画面を古いままで固定する」という判断を下し続けているのです。
「減点方式」が足かせになるユーザー体験
銀行員のキャリアは「ミスをしないこと」で積み上がります。100の利便性より、1の事故防止。この組織文化が、ユーザーに過度な負担を強いる設計を長年放置してきました。
具体的には、こういった場面で感じた方も多いはずです。
- 振込先の登録上限に達したため古い取引先を削除しなければならない
- 振込承認のために専用のトークン端末を持ち歩かなければならない
- 複数の画面を行き来しないと一件の振込が完了しない
彼らにとって、あなたの業務が効率化されることよりも、自行のオペレーションミスを防ぐことの方が、優先順位が圧倒的に高いのです。
BaaS(Banking as a Service)という「金融の民主化」
では、なぜ新興のITサービスであるフィンサーが、老舗銀行以上の利便性を提供できるのでしょうか。その鍵は、「BaaS(Banking as a Service)」という役割分担にあります。
餅は餅屋:インフラとUIの分離
現代の金融は「アンバンドリング(分解)」の時代です。
- 銀行:強固な「金庫」と「振込網」の維持に徹する(BaaS提供)
- フィンサー:ユーザーが毎日触れる「最高の使い心地(UI/UX)」を設計する
この役割分担により、銀行の信頼性とIT企業の機動力が同居できるようになりました。巨大な店舗網や古いメインフレームを維持するコストがないからこそ、既存銀行では太刀打ちできない「他行宛手数料90円」と「マニュアル不要の操作性」が両立できるのです。
さらに、フィンサーバンクはCSVによる一括振込や会計ソフトとのデータ連携にも対応しています。「毎月100件の振込をCSV一括で流し込んで完了」という運用が実現できるのは、APIファーストで設計された新世代のアーキテクチャがあってこそです。既存のIBでは、この柔軟性は構造的に実現困難でした。
実証:170店舗を「3人」で回すための財務戦略
前述の財務責任者は、新システムの導入により、振込業務の工数を約70%削減することに成功しました。170店舗を抱える企業の経理業務を、わずか3名で回せている背景には、この劇的な効率化があります。
彼はプロの視点でこう断言します。
「試算した瞬間に、既存の銀行を使い続ける理由はなくなった。銀行員として正確さを叩き込まれてきた自分でも、手入力という構造がある限りリスクはゼロにならない。だからこそ、精神論ではなく『構造』でミスを封じ込める仕組みが必要だった」
攻めのバックオフィスへ
多店舗展開企業において、承認のためにPCの前に縛り付けられる時間は「死に時間」です。かつては「社長が出張中だから振込が止まっている」という状況が頻繁に起きていたといいます。フィンサーバンクの導入後、その「待ち時間」は消滅しました。スマホ一つで、外出先でも1分で承認が完結する。この足止めしないスピード感こそが、急成長企業のガソリンとなります。
浮いたコストと時間は、銀行への「寄付」のような手数料や単純作業に消えるのではなく、より付加価値の高い「資金繰り分析」や「新規出店戦略」へと再投資されています。バックオフィスが「守り」から「攻め」に転じた瞬間です。
まとめ
銀行との長年の歴史や信頼関係は、大切にすべき財産です。しかし、毎日の業務を苦痛にし、担当者を精神的に消耗させる「古いシステム」を使い続ける必要はありません。
「金融のプロ」が、自ら銀行の不親切さを認め、新しい道を選んだ。この事実は、あなたの会社のバックオフィスにとっても、新しい時代の幕開けになるはずです。
2026年、金融は「不自由な義務」から、ビジネスを加速させる「最高の道具」へと進化しています。マニュアルを手放し、直感で動かせる世界へ。あなたも一歩踏み出してみませんか?
よくある質問
Q. BaaSとインターネットバンキングは何が違うのですか?
A. 従来のインターネットバンキングは、銀行が独自に開発したシステムをそのまま提供するものです。BaaS(Banking as a Service)は、銀行がAPI経由で金融インフラを提供し、IT企業がその上に独自のUI/UXを設計する仕組みです。銀行の信頼性を保ちながら、IT企業の機動力によって現代の業務フローに即したサービスを実現できます。
Q. 振込手数料はどのくらいですか?
A. フィンサーバンクでは他行宛振込手数料が一律90円です。振込件数が多い企業ほどコスト削減効果が大きく、毎月数十件〜数百件の振込が発生する企業では、手数料だけで大幅なコスト削減につながります。
Q. 既存の銀行口座と併用できますか?
A. はい、併用いただけます。まずは振込業務の一部をフィンサーバンクに移行して効果を確認し、段階的に切り替えていく企業も多くいらっしゃいます。
Q. フィンサーバンクを利用するにはどうすればよいですか?
A. ご利用には、北國銀行(金融機関コード:0146)フィンサー支店(支店コード:551)の法人口座開設が必要です。銀行所定の口座開設審査がございます。まずはこちらからお問い合わせいただくと、導入の流れについてご案内します。

著者
金和 昇汰
株式会社f9k セールス
近畿大学経営学部を卒業後、2015年に大阪シティ信用金庫に入庫。リテール営業及び融資業務に従事。2022年に日本政策金融公庫へ入社し、スタートアップ・中堅中小企業向け法人融資業務に従事。2025年より株式会社Finswer・f9kに参画。