フィンサーバンクメディア

【経産省の元担当者が解説】複数の法人口座を持つメリット・デメリット【2026年版】

複数の法人口座を持つメリット・デメリットと、目的別の最適な組み合わせパターンを実例とともに解説します。

14分で読めます

法人口座は1つで十分、と思っていませんか? 実は、成長企業の多くが2〜3つの法人口座を使い分けています。複数口座を持つことで、手数料の最適化・リスク分散・資金管理の明確化が可能になります。本記事では、複数口座のメリット・デメリットと、目的別の最適な組み合わせパターンを実例とともに解説します。


まず結論:法人口座は「2〜3口座」の使い分けが最適解

法人口座は、目的に応じて2〜3口座を使い分けるのが最も効率的です。1口座では管理がシンプルな反面、手数料コストやリスクが最適化できません。逆に4口座以上は管理コストが増大し、メリットよりデメリットが上回る傾向にあります。

最適な口座構成の基本パターン:

口座用途おすすめの銀行種別
メイン口座振込(支払い)・経理業務オンラインバンク(手数料が安い)
サブ口座入金(売上の受取り)・対外的信用都市銀行 or 地方銀行
予備口座(任意)納税・社会保険料の引き落とし都市銀行 or 地方銀行

複数の法人口座を持つ5つのメリット

メリット1:振込手数料を大幅に削減できる

複数口座の最大のメリットは、振込手数料の最適化です。振込(支払い)は手数料の安い銀行に集約し、入金(売上の受取り)は取引先への信用力が高い銀行を使う。この使い分けだけで、年間数十万円のコスト削減が実現します。

振込手数料の比較表

銀行他行宛振込手数料月50件の年間コスト月100件の年間コスト
三菱UFJ銀行484〜660円 ※月額1,760円別途290,400〜396,000円580,800〜792,000円
みずほ銀行490〜660円 ※月額3,300円別途294,000〜396,000円588,000〜792,000円
りそな銀行605円 ※月額3,300円別途363,000円726,000円
地方銀行(平均)440円264,000円528,000円
楽天銀行150〜229円90,000〜137,400円180,000〜274,800円
TRUNK(三井住友銀行)145円87,000円174,000円
PayPay銀行145円87,000円174,000円
住信SBIネット銀行145円87,000円174,000円
GMOあおぞらネット銀行143円85,800円171,600円
フィンサーバンク90円54,000円108,000円

例えば、都市銀行(484〜660円/件)で月100件の振込を行っている企業が、振込業務だけをフィンサーバンク(90円/件)に移すと、年間で約47〜68万円の削減になります。入金口座は都市銀行のまま維持できるため、取引先への信用力は変わりません。

メリット2:リスク分散ができる

1つの銀行に全資金を預けると、以下のリスクに直面します。

リスク内容複数口座での対策
システム障害銀行のシステムが停止し、振込・引き出しが不可能に別の銀行口座から支払いを実行
口座凍結リスク不正利用の疑いなどで口座が一時的に凍結事業用の資金を別口座にも確保
サービス終了リスク銀行がサービス内容を変更・終了代替口座が既に存在する

特に預金保険制度(ペイオフ)については、1つの金融機関につき元本1,000万円とその利息が保護対象です。資金が1,000万円を超える場合は、複数の金融機関に分散することで保護対象を拡大できます。

メリット3:資金の用途別管理が明確になる

複数口座を用途別に分けることで、資金管理の精度が向上します。

口座の用途分け管理が容易になるポイント
支払い専用口座月間の支出額が一目で把握できる
入金専用口座売上の入金状況がリアルタイムで分かる
納税・社会保険専用口座税金・保険料の支払い分を確保しやすい
予備資金口座運転資金と分離して安全に保管

資金を1つの口座でまとめて管理していると、「現在の残高のうち、いくらが支払い予定分で、いくらが自由に使える資金か」が見えにくくなります。口座を分けるだけで、この問題はシンプルに解消されます。

メリット4:グループ会社管理に対応できる

事業が成長し、複数の法人(グループ会社)を展開する場合、各法人で口座を使い分ける必要が出てきます。

ある不動産グループ(3社)は、グループ3社でフィンサーバンクを導入しています。同じ銀行でグループ会社の口座を管理することで、振込業務の一元化とコスト統一が実現できます。


複数の法人口座を持つ3つのデメリット

デメリット1:口座間の資金移動に手間がかかる

複数口座を持つと、口座間で資金を移動する作業が発生します。例えば、入金口座に入った売上金を支払い口座に移す作業です。この移動にも振込手数料がかかる場合があります。

対策: 資金移動の頻度を最小限にするルールを決める(例:月2回、まとめて移動する)。振込手数料が安い銀行(フィンサーバンクなら90円)から移動すれば、コスト負担は最小限です。

デメリット2:管理の複雑さが増す

口座が増えるほど、残高確認・入出金の把握・通帳(明細)の管理が複雑になります。特に経理担当者が1名しかいない中小企業では、管理負担が大きくなりがちです。

対策: 口座数を2〜3に抑える。フィンサーバンクのような経理効率化機能(入金消込の自動化、AI請求書読取)がある銀行をメイン口座にすることで、管理の手間を削減できます。

デメリット3:口座維持コストが発生する場合がある

銀行によっては、インターネットバンキングの月額利用料やサービス利用料が発生します。

銀行インターネットバンキング月額利用料
都市銀行1,760〜2,200円/月
地方銀行1,100〜2,200円/月
ネット銀行無料〜
フィンサーバンク無料〜

対策: 口座維持コストと振込手数料の削減額を比較して、トータルでプラスになる組み合わせを選ぶ。


目的別:最適な口座の組み合わせパターン

パターン1:コスト重視型(スタートアップ・小規模法人向け)

口座銀行用途
メインフィンサーバンク振込(支払い)、入金、経理業務すべて
サブ都市銀行 or 地方銀行融資用

月間コスト目安: フィンサーバンク0円〜+都市銀行ネットバンキング月額約2,200円 = 約2,200円〜

設立直後のスタートアップや小規模法人に最適なパターンです。振込業務はすべてフィンサーバンクに集約し、コストを最小化します。

パターン2:バランス型(中小企業向け)

口座銀行用途
振込専用フィンサーバンク取引先への支払い、経費精算
入金専用ネット銀行売上の受取り、取引先への信用
納税・社保都市銀行税金・社会保険料の引き落とし

月間コスト目安: フィンサーバンク0円〜+ネット銀行0円+都市銀行約2,200円 = 約2,200円〜

月間振込件数が50件以上の中小企業に適しています。振込手数料の削減額だけで十分にメリットがあります。

パターン3:機能使い分け型(IT企業・テック系企業向け)

あるサービス業の企業(従業員2名)は、GMOあおぞらネット銀行とフィンサーバンクの2口座を使い分けています。通常の都度振込や入金はフィンサーバンクに寄せつつ、用途に応じて使い分ける戦略です。

💡 筆者の経験から ある導入企業の経営者から「既存のネット銀行との併用が最適」とアドバイスをいただきました。フィンサーバンクは現時点で口座振替やPay-easy、デビットカードには未対応のため、これらの機能が必要な場合は既存口座を残しておく必要があります。「振込と経理業務はフィンサーバンク、それ以外の決済機能は既存口座」という使い分けが、現実的かつ最もコスト効率の良い運用方法です。

口座銀行用途
メインフィンサーバンク都度振込、入金、請求書管理
サブGMOあおぞらネット銀行API連携、特定の決済用途

月間コスト目安: フィンサーバンク0円〜+GMOあおぞら無料 = 0円〜

API連携を活用したい企業や、複数のネット銀行の強みを組み合わせたい企業に適しています。


【事例】5つの銀行口座を整理してコスト削減した製造業者のケース

ある愛知県の製造業者様は、創業以来の取引で法人口座が5つの銀行に分散していました。

整理前の状況

銀行用途他行宛振込手数料月間振込件数
A都市銀行メインバンク、融資484円40件
B地方銀行一部の入金受取り440円10件
C地方銀行納税・社保引き落とし440円5件
D信用金庫過去の取引の名残550円数件
Eネット銀行一時的に開設145円数件

月間振込手数料:約28,000円(年間約336,000円)

整理後の状況

口座を3つに集約し、振込業務をフィンサーバンクに一本化しました。

銀行用途他行宛振込手数料月間振込件数
フィンサーバンク振込(全支払い)90円55件
A都市銀行入金受取り、融資--
C地方銀行納税・社保引き落とし--

月間振込手数料:4,950円(年間約59,400円)

年間削減額:約277,000円

さらに、5口座を3口座に集約したことで、口座管理の手間が大幅に軽減されました。残高確認や入出金明細の確認が3口座分で済むようになり、月末の経理業務時間も削減されています。


いつまで振込予約ができるかも重要なポイント

多くの企業は、月初に請求書を受領し、その翌月末に支払いを行います。振込予約機能があれば、請求書を受領したタイミングで支払日を指定して予約でき、月末の振込作業に追われることがなくなります。フィンサーバンクでは、振込予約の期限に制限がないため、余裕をもって振込準備を進められます。


振込上限額も考慮すべきポイント

複数口座を検討する際、見落としがちなのが1日あたりの振込上限額です。銀行によっては、メガバンクや地銀が提供のインターネットバンクは、振込上限金額の引き上げのために書面の手続きや別段の審査があるケースもあります。 フィンサーバンクは、正しい権限をもったユーザーであれば、オンラインで振込の上限金額を即時変更できるため、大口支払いもまとめて処理できます。

大口の支払いが発生する企業にとって、振込上限の制約は見えにくいコスト(分割手続きの手間、支払い遅延のリスク)を生みます。複数口座を検討する際は、振込上限額も比較項目に加えましょう。


複数口座管理を効率化するコツ

コツ1:口座ごとの役割を明文化する

「この口座は何のために使うか」を社内ルールとして明文化しましょう。口座が増えるほど、担当者によって使い方がバラつくリスクが高まります。

コツ2:振込業務は1口座に集約する

振込(支払い)は手数料が最も安い口座に一本化するのが鉄則です。複数の口座から振込を行うと、手数料の最適化ができず、振込履歴も分散して管理が煩雑になります。

コツ3:経理効率化機能がある銀行をメインにする

フィンサーバンクのように、AI請求書読取・入金消込自動化・経費精算などの機能が一体化している銀行をメイン口座にすれば、別途SaaSを契約する必要がなく、管理ツールの数を減らせます。

コツ4:月1回、全口座の残高を棚卸しする

複数口座を持つ場合、月に1回は全口座の残高と直近の入出金を確認する習慣をつけましょう。放置された口座に不要な残高が眠っていたり、口座維持手数料が引き落とされ続けていたりするケースは珍しくありません。


まとめ:複数口座は「戦略的に」持つ

法人口座を複数持つこと自体は、コスト削減・リスク分散・資金管理の面で大きなメリットがあります。ただし、闇雲に口座を増やすのではなく、目的を明確にして2〜3口座に絞るのが最適解です。

複数口座運用のチェックリスト:

  • 各口座の役割(振込用・入金用・納税用など)を明確にしたか
  • 振込業務は手数料が最安の口座に集約したか
  • 預金残高が1,000万円を超える場合、複数の金融機関に分散したか
  • 使っていない口座を放置していないか
  • 口座維持コストと手数料削減効果のバランスを確認したか

振込手数料90円・口座開設維持費無料のフィンサーバンクを「振込専用口座」として追加するだけで、既存の銀行口座はそのままに、年間数十万円のコスト削減が可能です。AI請求書自動読取や入金消込自動化の機能により、複数口座の管理負担も最小限に抑えられます。

フィンサーバンクは、こちらから無料でお申込みいただけます。


よくある質問

Q. 法人口座はいくつまで持てますか? A. 法律上の上限はありません。ただし、管理コストと効率を考慮すると2〜3口座が最適です。5口座以上は管理負担が大きくなるため、整理を検討することをおすすめします。

Q. フィンサーバンクと既存の銀行口座は併用できますか? A. はい、もちろん併用可能です。多くの導入企業が、既存の都市銀行や地方銀行の口座を維持したまま、振込業務をフィンサーバンクに集約しています。

Q. 口座を増やすと経理業務は大変になりませんか? A. 口座数が増えると一定の管理負担は発生します。ただし、フィンサーバンクのようにAI請求書読取や入金消込自動化の機能がある銀行をメインにすれば、むしろ経理業務全体の効率は向上します。

Q. フィンサーバンクの振込上限はありますか? A. フィンサーバンクでは1日あたりの振込上限金額に制限はありません。なお、1件あたりの振込上限金額は1億円です。


田口 周平

著者

田口 周平

株式会社f9k 取締役COO

東京大学法学部を卒業後、2015年に経済産業省に入省。原子力政策や情報政策、省内全体の政策・法令統括や災害対応などを担当した後、2020年4月からはコロナ禍では中小企業向けの金融支援策を担当。約56兆円超の貸出実績となっている実質無利子・無担保融資の制度設計のほか、信用保証制度の運用を担当する。2021年末に経済産業省を退官し、その後株式会社Finswer・f9kの取締役COOに。

関連記事

振込手数料90円の
オンラインバンク

フィンサーバンクなら、法人口座の開設が最短15分。 業界最安値の振込手数料で経理業務をまるっと効率化できます。