【元・中小企業庁職員作成】【無料あり】中小企業向け経費精算システム比較|コストを抑えて導入する方法【2026年版】
中小企業が無料または低コストで導入できる経費精算システムを比較。無料プランの注意点と、振込まで完結する無料サービスの選び方を解説します。
「月額数万円の経費精算システムは、うちの規模には合わない」。 中小企業の経理担当者から最も多く聞く声です。
従業員10〜50名規模の中小企業にとって、経費精算システムの月額3〜5万円は無視できないコストです。しかし、紙やExcelでの経費精算を続ければ、毎月の作業時間と人的ミスのコストが積み重なります。
実は、無料で使える経費精算システムは存在します。本記事では、中小企業が経費精算を効率化するために、無料〜低コストで導入できるサービスを比較し、選び方のポイントを解説します。
中小企業が経費精算システムを導入すべき3つの理由
理由1:経理担当者の作業時間を削減できる
中小企業では、経理担当者が1〜2名で経費精算・給与計算・請求書処理をすべて兼務しているケースが一般的です。経費精算だけで月に8〜15時間を費やしている企業も少なくありません。
経費精算システムを導入することで、以下の作業が自動化されます。
- 領収書の金額・日付を手入力する作業(AI-OCRで自動読取)
- 紙の申請書を回す承認フロー(オンラインで完結)
- 仕訳データの手入力(自動出力)
- 振込先口座の確認と振込作業(システム連携)
理由2:電子帳簿保存法への対応が必須になった
2024年1月から、電子取引データの電子保存が完全義務化されています。メールやWebで受け取った領収書のPDFを紙に印刷して保管する方法はもう認められません。
経費精算システムを導入すれば、タイムスタンプの付与や検索要件への対応を自動で満たせます。法対応のためだけに導入する価値があります。
理由3:属人化リスクを減らせる
Excelや紙で管理している場合、「あの人しかやり方を知らない」状態になりがちです。担当者の退職・異動で経費精算が混乱するリスクがあります。システムを導入しておけば、フローが標準化され、誰でも対応できます。
無料〜低コストで使える経費精算システム比較
比較表(2026年4月時点)
| サービス名 | 月額料金 | 初期費用 | AI-OCR | 振込機能 | 無料の範囲 |
|---|---|---|---|---|---|
| フィンサーバンク | 無料 | 無料 | ○ | ○ | 全機能が無料(経費精算・請求書処理・振込) |
| invox経費精算 | 1,980円〜 | 無料 | ○ | × | 無料トライアルあり(期間限定) |
| ジョブカン経費精算 | 400円/ユーザー | 無料 | ○ | × | 無料プランなし(30日間の無料トライアル) |
| マネーフォワードクラウド経費 | 2,980円〜 | 無料 | ○ | × | 1ヶ月間の無料トライアル |
重要な注意点
比較表を見ると、多くのサービスが「無料トライアル」を提供していますが、継続的に無料で使えるのはフィンサーバンクだけです。他のサービスは試用期間が終われば有料に切り替わります。
各サービスの詳細
フィンサーバンク(完全無料)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 月額料金 | 無料 |
| 初期費用 | 無料 |
| 利用制限 | なし |
| 他行宛振込手数料 | 90円/件 |
| 追加機能 | 請求書処理(AI読取→振込)、請求書発行・入金確認 |
中小企業にとっての最大のメリット:
- 経費精算の利用料が無料。 従業員数に関わらず追加料金なし
- 承認した経費をそのまま振込可能。 インターネットバンキングを別途開く手間がない
- 請求書処理も無料で使える。 取引先からの請求書をAIが読み取り、そのまま振込データを作成
- 他社の経費精算システムとも併用可能。 他社で承認済みの経費データを総合振込として処理できる
口座開設は最短15分、オンラインで完結します。
invox経費精算(月額1,980円〜)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 月額料金 | 1,980円〜(ミニマムプラン) |
| 初期費用 | 無料 |
| 追加料金 | アクティブユーザーあたり月額300円 |
| 主な機能 | 経費申請・承認、AI-OCR(99.9%精度)、全銀フォーマット振込データ生成、仕訳自動生成 |
導入実績30,000社以上、継続率99.8%を掲げるクラウド経費精算サービス。AI-OCRの精度が高く、インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しています。ミニマムプランは月額1,980円と比較的低コストですが、アクティブユーザーごとに月額300円が加算される点に注意。従業員20名の場合、月額1,980円+300円×20名=7,980円が目安です。
振込データ(全銀フォーマット)の生成は可能ですが、実際の振込は別途インターネットバンキングで行う必要があります。
ジョブカン経費精算(月額400円/ユーザー)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 月額料金 | 400円/ユーザー |
| 初期費用 | 無料 |
| 主な機能 | 経費申請・承認、交通費自動計算、ICカード連携、仕訳データ出力 |
ジョブカンシリーズ(勤怠管理、給与計算等)と組み合わせて使えるのが強み。10名で月額4,000円、30名で12,000円と従業員数に比例してコストが増える点に注意が必要です。
マネーフォワードクラウド経費(月額2,980円〜)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 月額料金 | 2,980円〜(スモールビジネスプラン) |
| 初期費用 | 無料 |
| 主な機能 | 経費申請・承認、ICカード連携、クレジットカード連携、会計自動仕訳 |
バックオフィス全体をマネーフォワードで統一する場合に有効。経費精算単体の契約はできず、バックオフィスSuiteとしての契約が必要です。
「無料」の経費精算システムで注意すべき3つのポイント
1. 無料トライアルと「本当に無料」は違う
多くの経費精算システムが「無料」を打ち出していますが、その多くは期間限定の無料トライアルです。試用期間が終われば自動的に有料プランに移行するため、「気づいたら課金されていた」というケースもあります。
2. 機能制限の有無を確認する
無料プランがある場合でも、「ユーザー数3名まで」「月間10件まで」といった制限がついていることがあります。導入時は問題なくても、事業拡大とともにすぐ上限に達してしまいます。
3. 経費精算「だけ」の効率化で終わらないか
経費精算の効率化はゴールではなく、バックオフィス改善の入口です。経費精算のあとには必ず「振込」があり、その隣には「請求書処理」や「入金確認」があります。
フィンサーバンクが中小企業に支持される理由は、経費精算だけでなく、振込・請求書処理・入金確認まで1つのサービスで完結できる点にあります。バラバラのツールを契約する必要がありません。
中小企業の経費精算システム、選び方フローチャート
自社に合ったサービスを選ぶための判断フローです。
Q1. 経費精算にかけられる月額予算は?
- 0円 → フィンサーバンク(無料で全機能利用可能)
- 〜5,000円/月 → Q2へ
- 5,000円以上/月 → Q3へ
Q2. 重視するのは?
- 勤怠・給与との一元管理 → ジョブカン
- 振込まで完結させたい → フィンサーバンク
Q3. 重視するのは?
- カスタマイズ性 → 楽楽精算
- 会計ソフトとの一体運用 → 会計ソフト系の経費精算ツール
- 振込まで一気通貫 → フィンサーバンク
フィンサーバンクは口座開設・経費精算ともに無料で、こちらからお申込みいただけます。最短15分でオンライン完結です。
よくある質問
Q. フィンサーバンクの経費精算で交通費精算もできますか?
A. 乗降車した駅を選択して、交通費計算を自動で行うこともできます。
Q. 従業員が増えても無料のままですか?
A. はい。フィンサーバンクの経費精算機能にユーザー数に応じた追加課金はありません。
Q. 中小企業でも口座開設できますか?
A. 株式会社または有限会社であれば口座開設が可能です。口座開設はオンライン完結で、最短15分で手続きが完了します。

著者
田口 周平
株式会社f9k 取締役COO
東京大学法学部を卒業後、2015年に経済産業省に入省。原子力政策や情報政策、省内全体の政策・法令統括や災害対応などを担当した後、2020年4月からはコロナ禍では中小企業向けの金融支援策を担当。約56兆円超の貸出実績となっている実質無利子・無担保融資の制度設計のほか、信用保証制度の運用を担当する。2021年末に経済産業省を退官し、その後株式会社Finswer・f9kの取締役COOに。