ツール導入か、外注(BPO)か? 経理の「属人化」を解消し、コア業務に集中するための最適解
「あの人が休むと振り込みが止まる」―属人化した経理を解消するには、ツール導入とBPO外注のどちらが最適?コスト・リスク比較から最適な組み合わせまで解説します。
経理が「ブラックボックス」になっていませんか?
「あの人が休んだら振り込みが止まった」「やり方がわかるのは社長だけ」──経理業務が特定の担当者に依存している状態、いわゆる属人化は、中小企業・スタートアップに共通する悩みです。
属人化が生むリスクは深刻です。
- 退職リスク: 担当者が辞めた途端、業務が停止する
- 引き継ぎ不能: 手順が頭の中にしかなく、マニュアルが存在しない
- 意思決定の遅延: 担当者が不在だと、承認・支払いが滞る
こうした課題に対し、BPO(Business Process Outsourcing=業務プロセスのアウトソーシング)は「人手不足の解消」以上の価値をもたらします。BPOの本質は、業務の標準化と、経営者を作業から解放することです。外部の専門家が業務プロセスを整備・運用することで「誰がやっても同じ品質」が実現し、経営者はコア業務に集中できます。
「ツールだけ」では解決できない、BPOが必要なケース
近年、クラウド会計ソフトや法人向けバンキングツールの普及により、振込業務や仕訳の自動化が進んでいます。しかし、すべての業務をツールで代替できるわけではありません。
以下の工程には、人の判断が欠かせません。
- 証憑の回収と確認: 領収書・請求書の不備を取引先に指摘する
- 仕訳の判断: 費用科目の区分や按分計算は、知識と文脈理解が必要
- 例外対応: 定型外の支払いや急な修正依頼への対処
ツールはあくまで「処理の自動化」を担うものであり、「判断を伴う作業」こそBPOの出番です。
重要なのは、ツールとBPOは対立ではなく、組み合わせることで効果が最大化される点です。フィンサーバンクのような法人バンキングツールを土台にすることで、BPO業者との情報連携がスムーズになります。振込データや口座明細をツールで一元管理していれば、BPO担当者は最新の情報にリアルタイムでアクセスでき、振込指示のミスやタイムラグを大幅に削減できます。
自社運営 vs BPO:コストとリスクの真実
「BPOは高い」というイメージを持つ方も多いですが、自社運営の見えないコストと比較すると、BPOのコストパフォーマンスが際立ちます。
自社で経理を抱えるコスト
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 求人・採用費 | 30〜100万円(転職エージェント利用時) |
| 教育・研修期間 | 3〜6ヶ月分の工数ロス |
| 月額人件費 | 25〜40万円(社保込み) |
| 退職時の引き継ぎ | 計算不能なリスク |
採用に成功しても、担当者が退職すれば同じコストが再発します。
BPOを活用するコスト
フィンサーバンクのBPOサービスを例にとると、単体サービスは月額 ¥8,000〜(税抜) から、記帳代行・給与計算・振込代行をまとめたパッケージは月額 ¥29,600〜(税抜) から利用可能です。年商規模・従業員数に応じたプランがあり、必要な業務だけを選んで始めることもできます。
BPOには固定費化できる安心感に加え、次のメリットがあります。
- 専門知識の担保: 経理・労務のプロが対応するため品質が安定する
- 退職リスクゼロ: 担当者が変わっても、サービス品質が維持される
- スケーラビリティ: 業務量の増減に応じてプランを変更できる
フィンサーバンク×BPOで実現する「完全手放し」の経理
フィンサーバンクとBPOサービスを組み合わせると、経理業務における経営者のタスクは最終承認のみになります。
フローのイメージは次のとおりです。
- 取引先から請求書が届く
- BPO担当者が内容を確認・仕訳入力・振込データを作成する
- フィンサーバンク上で経営者が承認ボタンを押す
- 振込が実行され、明細がリアルタイムで記録される
振込指示の作成から実行まで、経営者が関わるのは承認の一瞬だけです。
資金の流れはフィンサーバンクのダッシュボードでいつでも把握できるため、「BPOに丸投げして何が起きているかわからない」という不安もありません。外部委託と、リアルタイムでの資金可視性を両立する──これが次世代のバックオフィスの形です。
フィンサーバンクのBPOサービスをご利用いただくには、フィンサーバンクの法人口座開設が前提条件となります。口座開設後は最短3週間で稼働開始でき、振込データや口座明細の共有もすぐに始められます。詳細は フィンサーバンク BPOサービスのページ からご確認ください。
導入事例:創業150年の老舗旅館が実現したバックオフィス改革
明治元年(1868年)創業、150年以上の歴史を持つ老舗旅館。絶景のオーシャンビューと極上の料理で多くの旅人を魅了し続ける同旅館で、バックオフィス全般を担うご担当者にフィンサーバンク導入とBPO活用のきっかけを伺いました。
毎月100件超の手作業振込
同旅館では、地元の漁港や市場から毎日新鮮な食材を仕入れています。その請求書の数は月100件を軽く超え、繁忙期にはさらに膨れ上がります。以前はすべての請求書を手作業で五十音順に並べ替え、金額と振込先を一件ずつ手入力していました。
「他業務も兼務しているため、接客の合間を縫って作業を進めるのですが、振込業務だけで丸一日が潰れてしまうのが常態化していました。ミスをすれば車で往復1時間かかる銀行まで手続きに行かなければならず、毎月の作業は精神的にも大きな負担となっていました」(バックオフィス担当者)
加えて、処理済みの請求書は紙でファイリング保管していたため、「過去の仕入れ値を確認したい」という場面でも大量のバインダーから書類を探し出す工数がかかり、業務の生産性を大きく下げていました。
「ツールの置き換え」ではなく「未来の基盤を作る」という選択
導入の決め手は、AI-OCRによる請求書の自動読取・電子帳簿保存法への対応・一元管理など、「次世代の経理に必要な機能が網羅されている」点でした。
「経理にかける時間を極限まで削り、本来の価値である『おもてなし』にリソースを集中させる。この方針を実現するには、フィンサーバンクがベストな選択肢だと確信しました」(バックオフィス担当者)
さらに転機となったのは、フィンサーバンク担当者からの提案で始めたBPO(振込申請代行)の活用でした。
承認ボタン一つで、作業時間・振込手数料ともに50%超削減
現在は、届いた請求書をフィンサーバンクに渡すと、振込データの作成から申請作業まで代行してもらえます。ご担当者はスマートフォンで確認・承認するだけです。
「五十音順に並べ替える手間も、入力ミスの不安も解消されました。作業時間・振込手数料ともに50%以上という大幅なカットを実現しています。物理トークンに縛られず、どこでも承認できるようになった点も非常に大きいです」(バックオフィス担当者)
まとめ
経理の属人化は、担当者が優秀かどうかとは無関係に生じます。業務が人に依存している限り、退職・病気・急な休暇のたびにリスクが顕在化します。
ツールで自動化できる部分はツールに任せ、判断が必要な部分はBPOの専門家に委ねる──この分業こそが、経営者がコア業務に集中するための最適解です。フィンサーバンクとBPOの組み合わせにご興味のある方はこちら
よくある質問
Q. BPOサービスを利用するために必要な条件はありますか?
A. フィンサーバンクのBPOサービスをご利用いただくには、フィンサーバンクの法人口座開設が必要です。口座開設後は振込データや明細をBPO担当者とシステム上で共有できるため、情報のやり取りをメールや書類に頼らず安全に行えます。口座開設の詳細はこちらからご確認ください。
Q. 既存の会計ソフトは使えますか?
A. フィンサーバンクのBPOサービスは、freee・マネーフォワードのご利用を想定しています。その他の会計ソフトをお使いの場合は、乗り換えを検討いただくか、既存ソフトへの対応可否も含めて無料相談をご利用ください。
Q. 経理を全部BPOに出すのは不安です。どこまで任せればいいですか?
A. 最初から全業務を委託する必要はありません。振込代行や記帳代行など、単体サービスから始めて信頼関係が構築できた段階で範囲を広げる方法が一般的です。まずは毎月「つらい」と感じる業務から任せてみてください。

著者
金和 昇汰
株式会社f9k セールス
近畿大学経営学部を卒業後、2015年に大阪シティ信用金庫に入庫。リテール営業及び融資業務に従事。2022年に日本政策金融公庫へ入社し、スタートアップ・中堅中小企業向け法人融資業務に従事。2025年より株式会社Finswer・f9kに参画。